このレビューはネタバレを含みます
訴訟の本当の理由が別にあったから美談で終わったが、そうでなかったら...
デザイナーベビー(本作ではドナーベビー)の賛否、そうして生まれた子供の権利。とても重い問題。
弁護士のキャリアを捨て、病気の長女ケイトにばかり神経を尖らせている母サラ。可哀想なケイトが第一で、他の家族は我慢を強いられて当然といった態度が見えていても、家族を思いやる長男ジェシーと二女アナが健気。
いつも蚊帳の外のジェシーの虚しさが、特に伝わってくる。
献身的に支えてくれている妹の存在感が薄く、感謝されている様子も見えなかったのは残念。
着飾ったケイトに向ける父の眼差し。言葉少なだからこそ、余計に心に響くものがあった💧
映画だから海へ連れ出す夫は正しいと思えたけれど、実際私だったらやはり止めてしまいそう。私の夫なら映画と同じ選択をするだろうとか、自分に置き換えて考えてみたり...
裁判でのジェシーの行動といい、家族を思う別の判断が、関係の修復へと導いている。
娘を亡くした女性判事、持病を抱えた弁護士といった訳ありの人物や、発作の前兆を察知する介護犬、そして計らずも自身の問題で弁護をすることになるサラといった設定も興味深い。
ケイトの演技が涙を誘う😭
荒れたこともあった彼女が、常に微笑みを湛えているような表情になったのは、自身のこれからを悟り、家族の未来に思いを馳せるようになったからだろう。
「人魚の眠る家」のようにはなりたくなかったから。
冷静に医師に質問するケイトと、窓越しに見えるサラの姿が対照的だった。
しっくりこない邦題は、原作小説からそのままつけたもの。このタイトルがぴったりはまっているという原作では、姉妹の運命が映画とは全く別だそうだ。