たけちゃん

かもめの城のたけちゃんのレビュー・感想・評価

かもめの城(1965年製作の映画)
4.2
「ブルージャイアント」の意味は、「若いうちでしかありえない一瞬の輝きの美しさ」だったような?
15歳のパトリシア・ゴッチが唯一無二恐ろしい輝きをみせていました。

海辺に住む父娘と家政婦が、若い男性の逃亡者を囲うお話。
主人公の少女アニエルは自分でも精神異常があるのでは?と思うほど、空想癖で情緒不安だが、奥底には何か埋められないものを抱えている。その為か、逃亡者を自分の心を埋めるために作ったかかしの生まれ変わりだと信じようになる。父親・家政婦もみんな心に傷や寂しさをもち微妙に物語は進展していく。映像・展開・音楽・役者とホント秀逸で美しくもあり、気持ちが揺さぶられる名作。
なによりパトリシア・ゴッチでなければ、この物語はもっと違ったイメージに流されていたかもしれないが、彼女の純粋性のお陰で物語が美しく保たれている。
アメリカ映画でありながら、フランスの匂いがするのは、ロケ地がフランスのブルゴーニュ地方で多国籍的なメンバーで構成されたから。イングマル・ベルイマン作品の常連女優グンネル・リンドブロム。「軽蔑」などの音楽を手掛けたジョルジュ・ドルリュー。映像・カメラワークと編集がまた美しいのだが、撮影監督にマルセル・グリニョン(パリは燃えているか・・)が担当