小屋

吸血鬼の小屋のレビュー・感想・評価

吸血鬼(1932年製作の映画)
3.9
 なんだか今までに見たドライヤー作品とはだいぶ作風が違う印象。俳優や顔の微妙な変化を写す演出はこれまで同様あるが、特にクローズアップが多用されているわけでもなく印象的なくらい。
 それよりもシュールで奇怪な世界観が、陰影を帯びて浮かび上がってくることの方が印象的な作品だった。逆再生や、人の影を使った攻めた演出もこの映画の見どころだと思う。ただセリフが少なく、状況説明がほぼ無いことが多いので「今何でこの人物が動いているのか」ということがわからなくなるシーンが多かった。『怒りの日』では何しているのかちゃんと説明していたので(普通そう)あえてやっているんだと思う。
 眠くなる作品ではあると思う。だけど挑戦的なところや不気味さが魅力となっている作品だ。良かった。
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