福みみ

SOSタイタニック/忘れえぬ夜の福みみのレビュー・感想・評価

3.2
この世に安全神話は存在しない。誰もが沈むと思わなかった1912年当時世界一の大きさを誇る豪華客船タイタニック号。
氷山に船体を擦る前に幾つもの危険を回避する機会はあったのに不幸にもそれらは見過ごされてしまった。大きな事故の前には必ずその前に小さな前兆があると言うが、絶対に沈まないと言う確信が人間の気の緩みを招いてしまった結果、2200余名の乗員に対して生存者700名あまりという悲惨な事故を引き起こしてしまった。

 女性と子供は優先して救命ボートに乗れるのに夫と最期まで一緒にいたいと言って船に残った老夫婦、沈む直前まで演奏し続けた楽団、木製の椅子を投げ捨てて海に浮いている人が掴まれるようにした人がいる一方、エゴ丸出しで自分が助かるために他人を蹴落とす人もいる。
極限状態でその人の本性が現れると言うが、それもこれも皆人間なんだろう。
福みみ

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