タイトー

アンナとロッテのタイトーのレビュー・感想・評価

アンナとロッテ(2002年製作の映画)
3.8
なんとなくナチスの気配を感じて借りたらドンピシャ、あらゆる人の身勝手さによって引き剥がされた双子の話。
もう始まりから大人の身勝手さ、都合よく子供を扱う底意地の悪さに触れる。ドイツの貧しい家へ引き取られたアンナ、オランダの裕福な家で過ごすロッテ。そこから彼女たちは歳を重ね、やがて戦争を迎える……。

見ていてわりとムカムカするシーンがあったりして、だけど彼女たちの立場に立つと責められない、そもそもの発端である人たちへの怒りに胸が苦しくなる。
登場人物が良くも悪くも本能的で、頭で考えるより自分の善悪を基準に物事をはかるような人が多いように見えた。
育ちで双子といえど性格は変わるし、双子だから直感で互いのことが通じる。

映像はどこか仄暗く、
印象に残ったシーンは特にないのだけれど、ただただどこかに希望を持ってしまう、そんな作品だった。
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