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心の日月のmingoのレビュー・感想・評価

心の日月(1954年製作の映画)
4.3
若尾文子初期の傑作。
祇園囃子から青空娘の間くらいは笑顔が満点だなそりゃみんな好きなるわ。それは置いといて、木村恵吾の演出は別に新しくもなければ光るモノでもないのだが、シンプルな話の中に小さなエモーションが詰まってる、たまらん。すれ違いメロドラマなのだがあまりにもすれ違いすぎて、でもそれが逆に良い。今がGPS付きスマホの時代だからこそ、電話や待ち合わせ場所の佇まいがもはやエモーション。姫田の撮影も、物語の重要な場所として60年前の飯田橋が活写されているのもたまらんっ!何よりラストのハンカチ1ダース男、船越英二の引き際の潔さ、おっとこまえ〜。「じゃあいつまでもお幸せに」なんて台詞言ってみたいもんよ…菅井一郎はいつだって変態じじい役、かわいそ。極め付けは菅原謙次の「心と心の交際をちょっとしていたことがあるだけなんです」の奥ゆかしさからの、「お願いです。どうかあの人と結婚して、幸福にしてあげてくれませんか」はこれまた最愛の人を想うまっすぐな台詞にほろり。あぁ傑作だよ、

追記)DVD買った!
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