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心の日月の3104のレビュー・感想・評価

心の日月(1954年製作の映画)
3.7
岡山から東京に出て来た麗子が探すは「心の恋人」の磯村。果たして二人は出会いそして結ばれるのか。

前年にヒットした松竹映画『君の名は』を思わせるようなすれ違いの連続。大きなヒットの波の合間に「どじょう」を夢想して作品を作るのは、当時も今も同じなのかもしれない。ともあれあやや演じる麗子と菅原謙二演じる磯村は、簡単に出会えそうでなかなか出会えない。
勘違い、間の悪さ、運の悪さ・・。
お話とはいえいくらなんでもすれ違いが過ぎる。しかし飽きずに最後まで観れてしまうのはなぜだろう。全編にただよう牧歌的な空気のせいか、若尾・菅原両者の爽やかな演技ゆえか(メロドラマなのに爽やかなのである。本来の狙いからは外れているのかもしれないが、作品としてこれはこれでいいと思う)。

少ない出番ながら高松英郎の悪役ぶりが光る。そして何より二人に大きくかかわる役を船越英二が粋に好演している。
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