メイマーツインズ

遊星からの物体Xのメイマーツインズのレビュー・感想・評価

遊星からの物体X(1982年製作の映画)
4.4
【名作を観ようシリーズNo.129】

鬼才・ジョン・カーペンター監督作品。
”エイリアン〟に並ぶSFホラーの金字塔。
ソフト所有で再鑑賞。


初鑑賞は、深夜のテレビだった。
かなりの衝撃を受けたのを憶えている。
極限状態での人間心理を鋭く描き、グロテスクな物体が芸術的。
エンタメ色が強い”エイリアン〟に対し、本作はアート作品としても楽しめる。
CGのない時代でこの特撮技術は驚異的であり、今観ても違和感を感じない。

舞台は南極。
10万年前に地球外からの来訪者であるその”物体〟は細胞を変異させ、犬や人間にも姿形を変えることができる。
アメリカ南極基地の仲間同士がお互いを人間か”物体〟か判別するために血液テストをするシーンがある。
疑心暗鬼に陥る人間のパニック心理を描いた秀逸なシーンであり、本作の1番の見どころだろう。

人類滅亡を防ぐには、その”物体〟を南極に止まらせないといけない。
捨て身の覚悟で、”物体〟の拡散を阻止しようとする人間の姿には美しさもある。

エンドロールで流れるエンニオ・モリコーネの音楽がまた本作の”世界観〟を印象付けている…

人間の本質を描いた、SFホラーの傑作です‼︎