千年女優

ハリー・ポッターと謎のプリンスの千年女優のレビュー・感想・評価

2.5
ヴォルデモートの活動が過激さを増し人間界にも被害が及ぶ中、ダンブルドアと共に元教授のホラスを呼び戻してホグワーツへ帰還したハリー・ポッター。魔法界の危機に加えて思春期の淡い恋愛模様にも悩まされる彼が、強敵の弱点を探すためにホラスの持つ記憶と鍵となる「半純血のプリンス」の謎を追う様を描いたファンタジー映画です。

公開すればその年の興行収入ランクでトップ3に入ることが当たり前の超人気シリーズの第六弾で、お馴染みのキャストに加えて監督のデヴィッド・イェーツも続投と盤石の布陣で制作に臨み、前作で正義vs悪の王道バトルものへと転換した大筋に、思春期の少年少女が主役故の複雑な感情の動きをエッセンスとして加える物語を盛り立てます。

シリーズ八作を一つの大きな物語とすると、各々に「起起承承転転結結」の役割を担っていますが、本作はその役割に甘んじてひとつの作品としての起承転結に乏しい印象です。シリーズの大団円に向けた重要な伏線があるとはいえ、あまり噛み合っていない上にそもそも多過ぎる要素の統合に四苦八苦して冗長で折角の見所も淡泊な一作です。
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