masahitotenma

コルドラへの道のmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

コルドラへの道(1959年製作の映画)
3.5
ゲイリー・クーパーとリタ・ヘイワース共演の西部劇。
監督、脚本は赤狩りで転向し辛酸をなめたロバート・ロッセン。
原作はグレンドン・スウォースアウト。
原題:They Came to Cordura (1959)

1916年、トーマス・ソーン少佐(ゲイリー・クーパー)はメキシコ革命軍バンチョ・ビリャとの戦闘で、臆病風に吹かれ銃弾を避けるため排水溝に隠れた。この卑怯な行為により左遷され、後方勤務「選定官」(勲章授与対象者を推薦する任務)を命ぜられる(アメリカは来るべきヨーロッパの戦場に参加する象徴的な英雄を必要としていた)。
ソーン少佐は、革命軍に対し無謀な戦法を取ったロジャース大佐(ロバート・キース)の部隊を騎兵隊の分遺隊員5人が勇敢な行為で助け、勝利に導くのを目撃する。
(その5人)
・ジョン・チョーク軍曹(ヴァン・ヘフリン)
・ウィリアム・ファウラー少尉(タブ・ハンター)
・ミロ・トルビー伍長(リチャード・コンテ)
・アンドリュー・へザリントン一等兵(マイケル・カラン)
・レンジーハウゼン(ディック・ヨーク)

少佐は、5人を名誉勲章の受賞者に推薦することにし、前線から後方のコルドラ基地に移すことにする。
同時に、敵である革命軍のアレアガ隊長(カルロス・ロメロ)らに宿と食料を提供した農園主アデレード・ギアリー(リタ・ヘイワース)も反逆者として護送することになった。

ソーン少佐は、彼らになぜ命をかえりみない勇敢な行為が出来たのかを問うが、5人の答えははっきりしない。
コルドラまでの道中、革命軍の襲撃を受け馬を手離すことになり、残り64キロの荒野を馬なしで進むことに。
水も食料も乏しい中、コルドラ基地まで行く必要を感じない5人はソーン少佐と対立。彼らは疲労が蓄積するにつれ次第に本性を剥き出しにし、アデレードの体とソーンの命を狙う…。

"担架"
"睡魔"
"線路"と"手押し車"

「私に裁く権利はない。
自分のこともね。
確かに彼らは普通の人間だが、それだけじゃない。奇跡と神秘を秘めてる。すばらしい。気づいてないだけだ。それを守りたい。
信じてるのね」

「あの農園は私にとっての排水溝だったの。あなたがコロンバスで隠れたような」

「全員が、私も含めて共通したところがある。ひ弱な子供を心の中に抱えている。どの兵士も推薦に値しないと思うときがある。裏切り、悪意、不誠実。同時にみんな勇敢で気高い。多分彼らは今後の人生でも再び人間の限界を越えた行動を取るだろう。だからコルドラへ行く。
人の心に何が住むかを知るために。
…人を裁くな。汝が裁かれないように」

一度臆病な行為をした男が、本当の勇気とは何かを探す物語です。
人間は弱い存在で恥ずべき行動を取ることもあるが、同時に勇敢で気高い行動を取ることもできる。
勇気ある行為は、人を裁くことではなく人を信頼することから始まる。そして、教育とは人を信頼して育てることだ。
クーパーは「真昼の決闘」の保安官役のように、この作品でも弱さがあり孤立無援になります。
リタ・ヘイワースは町の女の役。スタイルがよく、やはり色っぽい。眠ったら殺られる状態になったクーパーの命を救います。
masahitotenma

masahitotenma