洋画好きのえび

ハンニバルの洋画好きのえびのレビュー・感想・評価

ハンニバル(2001年製作の映画)
3.4
前作『羊たちの沈黙』の魅力に惹かれて続編の本作を観賞しましたが…なんだか拍子抜けしてしまいました…

全米を恐怖に陥れた「バッファロー・ビル事件」から10年後。当時レクターに捜査協力を依頼し、事件を解決に導いたFBI捜査官のクラリス・スターリングは、とある事件の捜査で複数の犠牲者を出したことで遺族から告訴され、捜査権を取り上げられた挙句、メディアからもバッシングされていた。そんな彼女に目を付けたのは、ボルティモアの大富豪であるメイスン・ヴァージャーだった。小児愛者のメイスンはかつてレクターの治療を受けたのだが、その際、レクターの策略にはまり、昏睡させられた上に全身に深い傷を負わされ、ひどい障害を負っていたのだった。10年前に精神病院から脱獄したレクターの行方を追っていたメイスンは、レクターのお気に入りであるクラリスを利用してレクターを捕まえることを目論み、憎き仇であるレクターの捜査にクラリスを復帰させようと目論む。一方、脱獄したレクターは、偽名を使ってイタリアのフィレンツェに潜伏していた。クラリスの置かれた状況をテレビで見たレクターは行動を起こす…

何というか、悪くは無いんですが、正直言って前作『羊たちの沈黙』の方が断然面白かったです。理由を色々と考えたのですが、一番の理由は前作の最大の魅力であったレクターとクラリスの不思議な心の繋がり、心の交流が本作ではほとんど描かれていなかったからだという結論に至りました。残虐シーンやカニバリズムシーンを描くことに注力しすぎたのでは…??レクターシリーズでこっちが見たいのはグロじゃ無いんだよな…グロも必要なのはわかるけど…
そして、このレクターとクラリスの心の繋がりを効果的に描けなかったもう一つの理由は、クラリスがジョディ・フォスターからジュリアン・ムーアに変わってしまったこともあるでしょう。ジュリアン・ムーアの演技が悪かったと言うわけではなく、前作のジョディ・フォスターの演技が素晴らしすぎたんですよね。幼い頃に親戚の牧場で聴いた羊たちの悲鳴についてレクターに語るクラリスのあの雰囲気、あの表情。レクターとクラリスがお互いに魅入られていくような惹かれていくような不思議な関係性。あれを前提にしてしまうと、本作のクラリス-レクターの関係性は物足りない…

次作の『レッド・ドラゴン』も観ようと思って録画したんですが、本作と同じようなグロ全面推しテイストなのでしょうか。だとしたらちょっと悲しいな…