ちゃんみほ

パプリカのちゃんみほのレビュー・感想・評価

パプリカ(2006年製作の映画)
4.3
インパクト大なポスタービジュアル。そこから滲み出る不気味さ…。ずっと気になっていたけど、なんだか観るのがもったいなくて観てなかった作品。もっと早く観ればよかった!面白かったー!!

ストーリーはそんなに難しくなく、テンポよよかった印象。『あれ?これ、どゆこと?』みたいな少しの謎を残しながら話が進むので、より深く物語に入り込める感じ。

そしてなによりパプリカがかわいい。謎めいていて、大胆で、キュートで、セクシーで、勇敢な女の子。途中、ティンカーベルみたいになるところが、音楽と相まってすごくゾクゾクした。パプリカと敦子の対比がまた良く。

みなさんはよく見る夢ってあるのかな?
私は、頑張って走ってるのにうまく進まない夢、バスケットゴールにシュートしても永遠にリングにはじかれる夢、大学の単位が足りなくなる夢、昔好きだった男の子が出てくる夢…。
これらはわたしの実体験に基づいて作られた夢であるから、夢と現実は常に一体なんだよね。かけ離れたものではないし、なんなら同時に存在する。

もし夢の存在が強くなってしまったら、夢の世界で生きることを選ぶ人がいてもおかしくないとも思う。つらい現実より、夢に生きたい人もいると思う。宗教に救いを求める人がいるんだから、夢の世界に生きる人がいてもいいじゃんね。インセプションでも、ディカプリオの奥さんは夢から出られなくなってしまったし。

わたしは楽しかった夢を思い出すと、ムネがキュンともするし、ゾッともする。逃避を願う気持ちを、自分自身が自制しているみたいだと思う。

今敏監督は、夢と現実は決して離れてはいない、同じ世界に存在する表裏一体のものであると言う。その不思議さと怖さを理解して意識することは、自分を律することにも繋がる気がした。

なーんてこと言ってるけど、普通にワクワクゾクゾク楽しく観れた作品だった!
あんまりアニメ観ないけど、これは好きだったなあ。


例えば今の時代なら、この世界観をもっとリアルに鮮やかに…が可能なんだろうけど、絶対リメイクとか実写にはなってほしくないと思った。
ちゃんみほ

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