らんらん

絹代の初戀のらんらんのレビュー・感想・評価

絹代の初戀(1940年製作の映画)
4.0
まず思うのは、「絹代の初戀」って、、、なにこの冠番組みたいなタイトル!
芸人だとエノケン、アチャコとか、歌手だと美空ひばりなんかがこの手のタイトルの映画多いけど、本職の役者さんではなかなか見ない(思い浮かぶのは「秀子の車掌さん」くらい)

【内容】
この映画の田中絹代の役名も絹代ってことで、「びばりの〜」みたいなタイトルと違って一応それらしくはなってる

ストーリーは
まず田中絹代がどこの誰かもわからないすれ違っただけのような佐分利信に初恋をする
運命の皮肉か佐分利信は妹(井川邦子)の勤める会社のぼんぼん
無邪気で遠慮のない井川邦子に佐分利信は惹かれて結婚を申し込む

といった流れで、妹の幸せを祝福しなきゃいけないんだけど同時にハートブレイクで複雑な田中絹代

姉妹愛もそうだけど、母親がわりみたいな心境もそれ以上にあって、そんな切なさを描いた作品です

【感想】
もっとアイドル映画してるのかと思ったら予想と全然違った内容だった
このタイトルで、田中絹代が主演で、初恋実らず!だからこそ印象に残る映画だと思う

田中絹代はすっごいしっかりしてて、母親代わりに妹や父(河村黎吉)の世話も焼いているんだけど恋愛にはウブなの!そんなギャップもかわいらしいです
友人水戸光子とのガールズトーク、色気よりも食い気みたいな感じでお汁粉や善哉(違いがわかはないw)をがっつく姿も良かった

あとは妹役の河野敏子、かわいらしくて印象的だったので調べたら井川邦子の改名前の芸名らしい、しかもこれがデビュー作だとか

ちなみに似たようなタイトルで、1937年に「女医絹代先生」なる映画もあるみたい
そんな冠になるくらい人気の大スターだったってことですよねー、それも納得のかわいらしさ

最後に、、、クラブ乳液って何なの?
最近見た戦前の松竹映画10本中半分以上でその言葉が唐突に出てくるw
ずーっと気になってたけどもしかしなくても映画の中で広告してるの?w
よくわからないけど、今後戦前松竹映画を見る上での楽しみの一つとして覚えておこう
らんらん

らんらん