塩湖

私は猫ストーカーの塩湖のレビュー・感想・評価

私は猫ストーカー(2009年製作の映画)
3.0
猫のたどる道に点々と落ちているドラマの種が芽吹くか芽吹かないか、というあいまいな瞬間の数々をとことんマイペースに観察する。そこに傑作『嵐電』にある夢幻的なにおいがすでに仄かに閉じ込められている気はするものの、さすがに全体のムードがのどか過ぎて早いうちに飽きがくる。ただ、あの怪しさマックスの出で立ちの諏訪太朗に「おいで」「真っ昼間から猫いる所教えてやっからよ」などのせりふを言わせながら、彼というキャラクターへの好感を観る側にもたせるのは、映画の仕事としてかなりマジカルですごいことなのではないかとも思う。そこにはありふれた異質さがあり、たしかに愛おしい。江口のりこが若々しく見え、宮崎将がとてもおおきく見えた。
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