ほーく

グリーンマイルのほーくのネタバレレビュー・内容・結末

グリーンマイル(1999年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

死刑囚が投獄される刑務所の守衛長であるPaulは、2人の少女を殺害したとされ、極刑を言い渡された男性Johnに出会う。
ある日 Johnが奇跡の力を持ち合わせていることを知り、彼の人生は劇的に変化していくのであった…。

“I’m rightly tired of the pain I hear and feel, boss. I’m tired of bein on the road, lonely as a robin in the rain. Not never havin no buddy to go on with or tell me where we’s comin from or goin to or why. I’m tired of people bein ugly to each other. It feels like pieces of glass in my head. I’m tired of all the times I’ve wanted to help and couldn’t. I’m tired of bein in the dark. Mostly it’s the pain. There’s too much. If I could end it, I would. But I can’t.”

奇跡の力のひとつである人を癒す力は魅力的に思えますが、本作品ではその能力は痛みや辛さが伴うものとして描かれています。また、付属的に人の本心や感情も知ることもできるようです。それは、人間が喜怒哀楽からなる生き物であり、時にいかに残酷になれるかを身をもって感じることに他なりません。Johnの”疲れた”という発言は不幸がなくなることはないこの世の辛辣を適格に表しており、胸が切ない気持ちでいっぱいになりました…。

とはいえ、本作品では、心が温まる場面も数多くあります。守衛の仕事は、死刑囚が心安らかに死を迎えられるようにサポートをすること。Paulとその同僚達はその責務を全うするため、誠意を持って、死刑囚1人1人と終末まで向き合います。病院の患者と接するように、優しい言葉で話しかけ、思いやりの心も決して忘れません。Mr.Jinglesをはじめ、他愛無いやりとりには自然と表情が緩んでしまいました。

“He kill them with they love.”
それでも、刑を免れることはできません。
いかに悔い改めても、判決や過去は変えられず、淡々と死刑は執行されていきます。”Old Sparky”の上で執り行われる刑は非常にリアルに描かれており、思わず目を背けたくなる場面もありました…。そして、時には罪なき人を殺してしまうこともあります。“愛情”を持って接してきた彼らの最期を正面から見届けなければならない…そんなやるせない気持ちが深々と伝わってきました。

ファンタジーとドラマの要素が絶妙に組み合わさった、時に心温まり、時に胸が締め付けられる感動作でした…。

1.ストーリー:4
2.構成:4
3.喜怒哀楽:4
4.映像や音楽:4
5.演出:4
※加点項目:
エンターテインメント:+0.1点     
感動:+0.1点
印象的なセリフや場面:+0.1点
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