千年女優

グリーンマイルの千年女優のレビュー・感想・評価

グリーンマイル(1999年製作の映画)
2.5
大柄な体つきと双子の少女の強姦殺人の罪状にそぐわぬ慎ましい物腰と、誰もを驚かす不思議な力を持った死刑囚のコーフィー。死刑囚官房の中で彼の起こす様々な奇跡を目撃する看守のポールが、看守仲間や囚人と共に彼と交流を深めていきその罪が冤罪はないかと疑念を持つも刻々と時が迫る死刑執行に悩まされるファンタジードラマです。

『ショーシャンクの空に』と同じスティーヴン・キング小説を映画化したフランク・ダラボン監督作品ですが、心優しき男による奇跡と感動の物語と呼ぶのには能力が些か度が過ぎるところがあっえ、最初の内は優しさに溢れる能力であったはずが、ある場面をきっかけに生殺与奪の権利を個人に与えうる強大なものへ変化を遂げてしまいます。

もちろんこれはスティーブン・キングらしいテーマですが、法という大きな力によって人を殺めることを許された者、何らかの大きな力により生殺与奪の権利を得た者は、手にしたものの強大さとは裏腹に一個人がそれをもって成せることは多くはなく、それにも関わらずこの映画において彼らが払わされる代償は大きすぎると感じる一作です。
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