ユーライ

害虫のユーライのレビュー・感想・評価

害虫(2002年製作の映画)
3.5
ママが自殺未遂。絶賛登校拒否を続ける私が心を寄せているのは小学校時代の先生と偶然出会ったチャラいお兄ちゃんに浮浪者やってるオジサンだけ。新しいパパも学校の自称ボーイフレンドも気持ち悪いだけ。だいっきらい。だからみんな、死んでしまえばいいのに……。こんなガキンチョは同年代同性の友達じゃ救えっこないらしく、金属バットで撲殺、青春の殺人者と化す現実に分かりやすい救いを与えず淡々と描くタッチは好感だが、クラスメイトらとの顔面偏差値が圧倒的な主演・宮崎あおい(当時16歳)の時点で切実さは雲散霧消していくのだった。こんなもん、堕ちる美少女を見てハァハァしたい欲望を隠蔽する為の社会派に過ぎないのだ。未成熟な少女に向ける男共の視線がいやらしいわフケツだわ汚らしいわと言っても、それは監督が持っているものだろ。自作自演で不幸のどん底に堕として興奮してる。引くわ……。火炎瓶を投げるべき相手は、現場でカメラ持って大挙してる大人共、宮崎あおい目当てにウヒウヒ言いながら画面のこちら側で観ている我々でなければならぬ。越境して胸倉掴んでくる力はないとお見受けした。
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