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懲役太郎 まむしの兄弟のNNNのレビュー・感想・評価

懲役太郎 まむしの兄弟(1971年製作の映画)
3.8
懲役太郎というタイトルがまた何とも言えぬ昭和的おおらかな適当さと言えばよいのか。鑑賞前はその程度の認識だったけれど、その馬鹿馬鹿しいネーミングがさりげなくもコメディの要素を匂わせていたとは。気づけませんよ、、w

なので、弟分があつらえた黒服の、特に帽子につけられた金の装飾のダサさを見るに、どういう映画なのかと微かな戸惑いを覚えたわけですが。

そこら辺の映画とちょっと違うなと思うのは、バッチをちらつかせたヤクザを撃退したのちに「金バッチはいらん。うちらのシノギは腕さえあればいいんだ」というような台詞を言わせ、ブチブチ抜いていくさまを描いているところ。物語進行上あっても無くてもいいような描写で人物の輪郭にさりげない厚みをもたせてくる。喧嘩っ早いだけの単細胞じゃないんだと。しかし、そういった語りがありながらも、中盤では安藤昇の気迫に恐れをなし、刺青を彫らなければ、、とカタチに頼ってしまうあたりに人間としての弱さが見えたりもする。ラストの殴り込みで男として成長したのかどうかはわからないけど、雨がそのカタチを、、というね。

ちなみに、このシリーズ9作あるらしいけど、川地民夫の「ところで兄貴、〇〇ってなんや?」という台詞、定番のネタとしてずっと続きそうな感じがあって、どこかで「もうええわ」となりそうな気がしないでもないです。
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