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マリー・アントワネットのMagnifyCoffeeのレビュー・感想・評価

マリー・アントワネット(2006年製作の映画)
3.9
完璧じゃないからこそ何度も見たくなる映画の一つ。

伝記映画として描くには適当すぎるし、ノリが軽すぎる。

女の子映画として撮るには伝記映画っぽすぎる。

そのカテゴリの中途半端さとUKロックなサウンドトラックで「ソフィアコッポラの世界」が完全にできあがる。

ファッションフォトグラファーらしい構図や、ハッとするような定点カメラなど、じっくり見ると「ソフィア節」が発見できて楽しい。

毎日同じ事で退屈だなーと思いつつ、音楽に乗せられ、時代に流されて。。。

観客もこの「退屈そうな宮殿の日々」に感情はいつの間にかのせられるはず。

映画的なクライマックスもなく、あくまで彼女の人生のクライマックスに至る前の部分を「切り取った」感じがすごく好き。

ギロチンのシーンもないけども、彼女が一人の女性として豪華な宮殿で生きた瞬間を見れるだけで、これは伝記映画ではなく、あくまで「時代に翻弄された普通の女の子の人生」という印象で終わる。

「有名な王妃」である彼女を、母親として、子供と庭でゆったりと過ごしたり、朝帰りで友達と朝日を見た「彼女の日常」が描けるなんて、映画という存在はやはり素晴らしいなと思うのです。

完璧じゃないソフィアコッポラ映画こそ、何度でも見たくなるのです。
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