セッセエリボー

逃亡者のセッセエリボーのレビュー・感想・評価

逃亡者(1947年製作の映画)
4.2
前提があまり入ってこないが。聖職者が皆殺しにされる時代ってなんだろう、クリステロスの乱とかを踏まえてるのか。『めまい』のような見事な廊下のショットをはじめローカルメキシコの美点を最大限に引き出したキレキレのロケーション撮影が美しく、特にメキシコを舞台にしたわけではないらしいがメキシコ映画産業の賜物として刻まれるべき一本だと思った。市場を警察隊が荒らし回るところの手腕(帽子が踏み荒らされ、じゃがいもが転がり、亀が割れ、水が飛び散るといった運動を物陰から隠れて撮るような緊迫感)はさすがフォード。聖職者の苦悩の物語だけあって、冒頭をはじめ随所に見られる神々しいショットもキマっていた。