めしいらず

未完成交響楽のめしいらずのレビュー・感想・評価

未完成交響楽(1933年製作の映画)
2.7
30年ぶりに再鑑賞。「わが恋の成らざるが如く、この曲もまた未完成なり」。交響曲「未完成」の裏にあったかもしれない悲恋物語。芸術家を虜にした上流階級の娘の歌唱。ひと時燃え上がる恋情。でも階級の壁は越えられぬ。娘の婚儀を祝って献呈された交響曲は、二人を引き寄せ、その後引き離したあの箇所までの未完成曲とされる。失恋の傷が生んだ名曲”アヴェ・マリア”。今観ると選曲と同様に少々甘口な印象。シューベルトが成功を掴む為に陰ながら奔走し、愛を誓い合いながらも彼によって人生を翻弄されてしまった質屋の娘が唯々お気の毒である。また主演のハンス・ヤーライが如何にもシューベルト然として見える。
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