ナチョス

アマデウス ディレクターズ・カットのナチョスのレビュー・感想・評価

4.7
再鑑賞2
2024/04/01

自由奔放な天才モーツァルトと天才を殺したと語るもう1人の真面目な天才サリエリ。

彼はモーツァルトの才能と性格を妬み、音楽ではなく権力で排除しようとする。

視点が途中で入れ替わり、観る側の感情は揺さぶられる。

2人の天才の間にあったのは憎しみと音楽に対する本物の愛。

1985年のオスカーで作品賞を含む8冠を獲得した作品は伊達じゃない…。

衣装、音楽、演技、セット全てが贅沢で3時間があっという間。

オペラという総合芸術を扱った作品としてこれほどまでに相応しい作品は類を見ない。

この作品自体がオペラのよう。まさにオペラの天才たちのオペラ。

ノーランが『オッペンハイマー』の役作りでキリアン・マーフィーに宿題として挙げていたけど、確かに2人とストローズとオッペンハイマーの関係は似ている。

天才であるが故の無自覚な傲慢さと、権力を持っているが故の狡猾な傲慢さ。

『オッペンハイマー』では2人の関係がどう表現されているのか楽しみ。
ナチョス

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