芹沢由紀子

カーサ・エスペランサ 〜赤ちゃんたちの家〜の芹沢由紀子のレビュー・感想・評価

3.7
心から、子供が欲しい、子供を持ちたいと悩んで戦ってきた人にしか共感してもらえないような、マニアックな作品。
自分もそうだったし、苦しんでたから選んでみた気がする。

アメリカの不妊に悩み、養子をもらうことを決めたセレブ妻たちが、南米に赴き養子をもらう手続きに奔走するという地味で暗い映画。
裕福なセレブ女性たちとは対極の貧しい人々の暮らし。
子供を産んでも経済事情などで育てられない南米の親たちから、子供を奪ってゆこうとしている子供が欲しくても手に入らない年代(もしくは問題を抱えた)アメリカの女性たちの人生の対比。

経済的にも豊かなのに、幸せではない女性たちの苦しみ。
子供がいないけど豊かなダリルハンナが、ひたすらストイックにマラソンに励む姿(自分の肉体美維持沼にはまっていく)とか、実際にそんな友人がいるのでリアリティーに脱帽。
どうにもできない現実を突きつけられたとき、ただ立って傍観することしかできなくて悲しい。
赤ちゃんたちよ、どうにか幸せに育ってほしい。

豊かな資本民主国家に生まれても、何でも手に入るわけじゃないのね。
芹沢由紀子

芹沢由紀子