カテリーナ

死ぬまでにしたい10のことのカテリーナのレビュー・感想・評価

死ぬまでにしたい10のこと(2003年製作の映画)
4.0
お涙頂戴作品とは一線を画す

ヒロインのアンの母親役として懐かしいデボラ・ハリー 相変わらず美しいし少し憂いを秘めた感じがとても良い
自分が逝った後も悲しまずにいて欲しいと子供の為に誕生日に向けてテープに言葉を残す
『セイフヘイブン』を彷彿
こちらは子供ではなくて夫の再婚相手に向けての手紙だった
アンは箱に詰めたテープを夫にではなく
主治医に託す理由が
「夫は娘の誕生日に毎年テープを渡すのを忘れるかもしれないし テープを無くすかもしれない このテープは毎年渡さないと意味が無いの」
主治医の真摯な眼差しが良かった
その時がやって来て
箱を開けてみると手紙がテープの上に乗っている その手紙の中身を読む場面は無い そこが良い
その後医師は戸棚にきちんと順番に並べる
死ぬまでにしたいことの中に
夫以外の男性と恋をするという項目があるのも良い(ペドロ・アルモドバルが製作総指揮に名前を連ねるゆえんか?)
ヒロインのアンが不倫相手
マーク・ラファロとの決着の付け方まで丁寧に描く やっぱり雨の中
車のフロントガラスに映る彼の
泣き顔が良かった
『マディソン郡の橋』のイーストウッドを思い出す

アンが隣に越して来た女性を夫の再婚相手 娘たちの母親になって欲しいと願う
気持ちが哀しくて、でも切実で、
落涙する
その女性の抱える秘密を吐露する
場面は更に辛くて号泣する

自分に置き換えてみても
異論を唱える項目もあるけれどそれは
倫理的な事でしかなく
私も同じかもしれない
かと言って実行する勇気はなさそう 

総じてウェルメイドな大好きな作品のひとつになった。
カテリーナ

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