Mikiyoshi1986

刺青一代のMikiyoshi1986のレビュー・感想・評価

刺青一代(1965年製作の映画)
4.3
追悼・鈴木清順監督

清順監督が日活ニューフェイスの若手俳優だった高橋英樹を初めて起用した傑作侠客列伝!
このコンビは翌年の「けんかえれじい」へと引き継がれることに。

味方の思わぬ裏切りで追われる羽目になったヤクザ兄貴を高橋英樹が男気たっぷりに熱演。
彼には弟思いな一面がある一方、
その弟は精悍な美大生ながらも人を撃っちゃったり、立場も弁えず人妻にガチで惚れてしまったりと、
純粋なのかバカなのかよく分からないトラブルメーカーぶりを発揮しながら逃亡劇を繰り広げます。

まだ日活が反逆と青春のドラマを全面に打ち出していた頃に、清順美学の変化球が加わって異様な任侠劇に仕上がった逸品。

潜伏先の職場でお世話になるみどり御嬢さんのツンデレ具合はクソほど可愛いです。惚れます。

深紅の革靴、カラフルな壁紙や襖など清順作品を支えた木村威夫の美術も光り、
特に高橋英樹がその身1つで殴り込みに行くシークエンスは圧巻!
ラストは清順美学ここにあり!な演出が冴え渡っており、舞台装置やカメラワークに拘った仕事が大変お見事。
Mikiyoshi1986

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