頭の上の赤い林檎

キャスト・アウェイの頭の上の赤い林檎のレビュー・感想・評価

キャスト・アウェイ(2000年製作の映画)
4.2
 やっぱり無人島漂流もの、大好き。しかも主演がトムハンクスと来たもんだ。

 この映画、どう見てもトムハンクスが無人島に漂流し、サバイバルする様子とその前後をたまたま映像に収まっていたもの、としか思えないくらいにトムハンクスの演技が素晴らしい。

 無人島漂流モノなのでもちろん大半が1人の画が続く。
 途中からバレーボールに己の血で顔を描いた相棒が追加されるが、まあ1人。それでも先の読めない展開ともし無人島についたら…をあれやこれやと、見たいところ全てやってくれる。
トムハンクス1人で全てオーケーじゃん。と思ってしまう。凄い。

 何より衝撃だったのが、4 years later…だ。
ええ!?ってこえ出ちゃったよ。
 こんなの絶対捜索隊がギリギリのところで見つけてくれるやつだと思うではないか。それに、島についてからのトムハンクス演じるチャックの立ち回りから、到底ロニンソンクルーソーのように定住するのは無理だろうなあと思うではないか。それがあっさり4年過ぎてしまうなんて。

 そして、何とか帰還し、帰ったチャックを待ち受けていたのは自分が体感した非文明社会での4年をはるかに凌ぐスピードで進化していた、かつての自分の居場所、文明社会。極め付けは既に他の男と再婚した妻。

 なんて悲しい…

 でも普通そうだよな。4年だもんな。チャックもそのことに困惑しながらも受け入れていた。

 文明社会での4年はあっという間なのだ。産業革命からの技術革新ってやっぱり凄いんだよなあ…

 そして、大円団で終わらず、リアルなヒューマンドラマとしての今作の完成度には大変満足した。

 約2時間半の尺に見合った素晴らしいスケールの作品でした。