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恋愛小説家のromioのレビュー・感想・評価

恋愛小説家(1997年製作の映画)
4.4
見前は、偏屈なジジイがちょっとしたことをきっかけにいい感じになる、よくあるヒューマンドラマものを想像していて手が出しづらかったのだが。
いざ見てみると心を揺さぶられる最高の作品だった!!

まず、第一にジャック・ニコルソンの魅力がハンパではない。一挙手一投足に目が釘付けになるし。顔の表情の作り方はあれは一体全体どうなっているのだろうか!!
納得の主演男優賞!!

出てくる人物の情緒がみんな不安定で、基本みんなマイナスの属性を持っていて、普通に彼らに接してしまうとマイナス×プラスでマイナス。しかしマイナス同士が掛け合わされるとプラスになるという不思議な人間関係が描かれる。
その内に溜め込んだ、ストレスや絶望、虚無感、そんな強い感情をそれぞれの人物が上手に表現してぶつけてくるからか、もう見ていて、すごく心を揺さぶられる。
絶妙なバランスをお互いに保ったときにしか平穏がないというのも、グラグラと揺れるジェンガを見ているようで目が離せず。ジャック・ニコルソンがそんな油断を許してはくれない。

心の中のものを吐き出して吐き出して、それでも上手く行かなくて、それでもぶつかっていくしかない。心に響く最高の作品だった。
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