「愛してると男は言った 待ってと女は言った 抱いてと女は言いかけた うるさいと男は言った」
冒頭のセリフです
慎重なのか軽率なのか はっきりとしない男女による恋愛観のズレを表現しているように思えるこの台詞
「愛は一瞬だというがその一瞬が蘇る」
まさにタイトルのように燃え上がったと思ったらすぐに鎮火してしまうカトリーヌの恋心を表しているかのようなこの台詞
小説を読むかのような語りで展開されている本作は このような魅力的なセリフが散りばめられています
三角関係の男女のお話ですが 男性二人による取り合いが一切行われないのがこの作品の特徴でもあります
本作はあくまでこのふたりの友情に焦点が当てられています
美人でも聡明でもない女性にどうしてこうも心奪われてしまうのか
それは奔放な彼女をまるで女王のように従えて振り回されるのが男たちの本望なのだとジュールは話します
恋多き女 親友同士同じ女を愛する二人組誰の気持ちもさっぱりわかりませんが この時代にはこんなにも自由で身勝手で孤独なカトリーヌがたくさんの女性からの共感を得ていたんだと考えると理解したいと思わざるを得ません
唐突にカトリーヌが川へ飛び込むシーンは何故か涙が溢れたのでしばらくしてからもう一度見てみることにします