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バーレスクのYYamadaのレビュー・感想・評価

バーレスク(2010年製作の映画)
3.8
【音楽映画のススメ】
~ 音楽と映像の素晴らしき
   コラボレーション

◆作品名: バーレスク (2010)
・作品のジャンル : ミュージカル
・楽曲のジャンル : オリジナル

〈本作の粗筋〉 allcinemaより抜粋
・かつては栄華を誇った大人のためのショー・クラブ「バーレスク」。伝説のスターにして現オーナーのテスは、舞台監督のショーンとともに再建に尽力するが、いまや客足が衰え経営難に陥っていた。
・そんな時、アイオワの田舎町からスターを夢見て単身ロサンジェルスへとやって来た少女アリ。彼女は偶然目にしたバーレスクの華麗なショーに心奪われ、ステージに立つチャンスを狙う。やがて、その歌唱力とダンスの才能がテスにも認められ、ついにスターへの階段を上り始めるアリだったが…。

〈見処〉
①この声で、夢への扉を開けてみせる——
・『バーレスク』は、シェールとクリスティーナ・アギレラ主演により2010年に製作された、ミュージカル映画。
・『月の輝く夜に』(1987)でアカデミー主演女優賞に輝き、「1960年代から2010年代の10年毎に全米1位を獲得した唯一の歌手」でもあるシェールにとって、本作が初のミュージカル映画出演となる。
・また「ローリング・ストーン誌が選ぶ歴史上最も偉大なシンガー」第58位に選出されるほどの抜群の歌唱力を持つクリスティーナ・アギレラにとっては、初の映画出演作品。
・本作は、本国米国では「バーレスクの歴史からストリップを消し去ろうとするハリウッドの試みはこれを築いてきた全ての女性への侮辱」と、バーレスク文化への理解が示されない作品として、批評家やRotten Tomatoesなどのレビュー・サイトでは、かなり悪い評価を下されている。
・一方、バーレスクの歴史的意義を問うことなく、宝塚歌劇団の功績などにより「隠れたミュージカル大国」である日本では、純粋にクリスティーナ・アギレラの圧倒的なパフォーマンスが人気を集め、Filmarksを含めたいずれのレビューサイトでも、高い評価を受ける「日米評価ギャップ」の甚だしい作品である。

②バーレスク
・17~8世紀のイギリスで流行した風刺的喜歌劇「バーレスク」。
・19世紀以後は、大衆向きの滑稽な寸劇・物真似芸として、ショーの間に挿入されるようになり、1860年~1940年代のアメリカでは、華やかな衣装をまとったショーガールのバーレスク・ダンスが人気を博すようになる。
・しかしながら、次第にその演目は下品なコメディー、女性のストリップやレスリングが中心となり、衰退を迎えていく。現在の米国の繁華街で見られるストリップ・バーはその名残である。

③結び…本作の見処は?
ミュージカル版「キレイな浅草キッド」
◎: シェールとクリスティーナ・アギレラというミュージカル映画最強の歌唱力を持つ2人の声質・声量を存分に堪能出来る作品。ミュージカル映画は「歌唱力のある俳優」よりも「人並みに演技が出来る歌手」が勝ることを証明している。
○:「ミュージカル楽曲による会話」がないミュージカル映画として、ミュージカルが苦手な方でも存分に鑑賞が可能。
○:「空中権」が差押え寸前のクラブを救う。ドラマ映画作品としても、なかなかのストーリー展開。
▲: ジャケット写真のアギレラはどーなのだろうか?


ありがちなストーリーであることは否めないが、時代考証を無視すれば、酷評される作品質ではない。
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