(20140630)
ジャン＝ルー・フェリシオリ(1960－)とアラン・ガニョル(1967－)はフォリマージュなる製作会社に在籍するアニメーション作家。本作は2011年から12年にかけてアカデミーを含め各地の映画祭にノミネートされた作品。日本では映画祭で上映されたのち昨年単館で上映されたようです。
伝統的なアニメーション手法に現代的なバックグラウンドをうまく滑り込ませてバランスをとることが出来ているのは、舞台がパリであるところが大きいですね。主人公の母親がシングルマザーの刑事で、シッターを雇いつつ子育てをしているわけですが、社会保障に担保されて女性の社会進出が進んでいるとされるフランスの実態が、じつは移民などの低所得に甘んじざるをえない層に支えられている側面があることなども見えてくるといえますか。
