過去最高に民間被害
✈️劇場版コナン第8作
✈️飛行機パニック&密室殺人
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及第点だが粗末
前監督こだま氏が「クロスロード」で示してくれた最高の方程式をまるで踏襲できていない。
前作「クロスロード」で服部平次が話の主軸となったので、その次作は怪盗キッドにスポットを当てようというのはわかる。
そして演劇を軸にした密室推理劇から、飛行機操縦不能パニックへの流れも(テレビシリーズのスペシャル版みたいだが)悪くはない。
だがいろいろと拙い。
今作のメインを怪盗キッド&飛行機パニックとするなら、どうしても推理劇の方がノイズだ。映画的スペクタクルとお家芸の推理劇が混同したタイトルは5作目「天国へのカウントダウン」を彷彿とさせるが、あれより遥かに劣る。
あちらは舞台となるビル(だかなんだか)そのものに、事件の発端と動機が意味づけされているので ”推理劇の上で起こるスペクタル” にしっかりとどまっている。
黒の組織の介入もその”推理劇”の中で起こっているため、推理劇とスペクタクルにまとまりがあり、それぞれが補い合うことでサスペンスを上質に演出していたのだ。
しかしこの「奇術師」は、推理劇とスペクタルが完全に乖離しており、場当たり的な印象が強い。飛行機の暴走シーンなどはすごく良かったので、コナン映画の可能性を広げてくれたなと感じるゆえに、あれ…そういえばさっきまで密室推理劇してたんだよね……?という気掛かりが惜しい。
あの犯人とか、以降まったく描写されないし。
あと倫理的な面が特にダメ。クレーンなどの民間建築物を破壊する描写や、滑走路(仮)にいた警察官を轢き殺しそうになるシーンなど、あぁ適当にコナン作ってんだなとどうしても思ってしまう。
なぜこだま監督が、コナン映画の舞台をオリジナルの場所にしていたのか考えなかったのだろうか??
蘭ねーちゃんに操縦任せて、新一マジックで洗脳する流れも糞彼氏すぎて笑ってしまった。第1作の「摩天楼」にすら負けている。
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✈️まとめ✈️
テレビ版のエピソード2つを突貫工事に繋げたような映画でした。キッドのミスリードも全然活かせてないし……てかそもそも映画の勢いを決める導入を、小五郎のおっちゃんのハッタリ推理ではじめるあたりから怪しさは感じてた。