かなかな

7月4日に生まれてのかなかなのネタバレレビュー・内容・結末

7月4日に生まれて(1989年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

最後は、どん底から立ち直って反戦の演説を行うシーンで終わるが、もし戦争が無かったら?もしあの時海兵隊の勧誘が来たりすることは無くて入隊しなかったから?母親が国の未来より我が子の未来を案じられていたら?などなどキリがないけど、もっと明るい希望に満ちた人生を送れたのでは?と考えてしまう。
戦争に自ら志願して行き、人生を賭けて国のために戦ったその結果を見ると本当に切ない。
荒んでいる時に、ペニスって叫んでいるシーンもあるけど、あの辺もほんとに切ない。下品なセリフだと一言では済ませられない。
お年頃の男子としては普通に恋愛をして、好きな人との身体の繋がりとかも夢見ることがあると思うけど、それも一度も経験する事ができない人生になってしまった事への失望感はきっと相当なものだと思う。

戦争で失う物は、末端の兵士であるほど多すぎる。
今も世界で戦争という名の殺し合いは起きている。
平和を願わずにはいられない。

トムクルーズが、この映画のために1年車椅子生活をして、頭髪も抜いたという話しを聞き、さすがだな、と思った。最初の希望溢れる青年から、荒んでいく様、最後の演説に向かうところまで、見事に演じ切っていたと思う。