chiyo

憲兵と幽霊のchiyoのレビュー・感想・評価

憲兵と幽霊(1958年製作の映画)
3.0
2023/9/23
中山昭二が田沢兄弟を一人二役で演じて頑張っているものの、やっぱり波島演じる天知茂に目が行ってしまう。嫉妬から部下を冤罪で死に至らしめ、部下の母を自死に追いやり、部下の妻を手籠めにするも容赦なく捨てる、と悪行の限りを尽くす。さらに共謀した別の部下を殺害し、軍の機密情報を敵側に流す等、完全に悪すぎて逆に清々しいくらい。それが見事にハマってしまう天知茂がまた凄い。が、タイトルに冠してはいるけれど、幽霊の印象はほとんどなし。終盤の墓地のシーンで幽霊たちが波島を苛ませるも、幽霊というよりも幻覚を見ている感が強く、波島の行動自体が行き当たりばったりで自業自得としか思えない。逆に、今まで悪事がバレなかったのが不思議なくらい。ただ、天知茂だけは一見の価値あり。
chiyo

chiyo