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ギャング・オブ・ニューヨークのmiuのネタバレレビュー・内容・結末

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このレビューはネタバレを含みます

移民、カトリック、プロテスタントの対立。激動の19世紀ニューヨークが舞台

1846年、ファイブ・ポインツの利権を巡るデッド・ラビッツ(アイルランド移民の組織)とネイティブ・アメリカンズ(アメリカ白人の組織)の対立は頂点に達し、決闘の末にネイティブ・アメリカンズのリーダーであるビル・ザ・ブッチャーがデッド・ラビッツのリーダー、ヴァロン神父を倒す→
この決闘で殺されたヴァロン神父の息子が物語の主人公であるアムステルダム・ヴァロンで、ファイブ・ポインツの支配権争いから15年後に父を殺したビル・ザ・ブッチャーへの復讐を誓い、またこの地に帰ってくることになる

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物語の終盤、2人(ビルとアムステルダム)が決着をつけようとするのと同じタイミングで、アイルランド系市民を中心とする下層労働者らによる"ニューヨーク徴兵暴動"が起きる。※これは史実に基づいた出来事で、南北戦争最中の1863年7月13日にアメリカ合衆国ニューヨーク市で発生

暴徒を狙った砲撃に巻き込まれてビルの体に刺さってしまった金属片を引き抜いたあと彼の「神よ!感謝を…アメリカ人として死ねる」という台詞はすごく印象的だった。暴動を起こした市民が警官に立ち向かい、一歩的に虐殺される姿を目の当たりにする中でもやはり長年に渡ったファイブ・ポインツを賭けた戦いの中で誇り高く死にたいと願ったのだろうと
物語の締めくくりにビルとアムステルダムの父であるヴァロン神父のお墓がニューヨークの街をバックに映し出されるシーンも良かった。19世紀から21世紀へ。解説を見るまでわからなかったけど真ん中には9.11でテロの標的となったワールドトレードセンターが映し出されているらしい

ちなみにこれも解説で知ったことなんだけど、スコセッシはファイブ・ポインツを自分の育った街と似ていると語っていて、実際に彼の育ったリトル・イタリーの場所はかつてのファイブ・ポインツの一地域でもあるんだって
miu

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