アギゴン

殯の森のアギゴンのレビュー・感想・評価

殯の森(2007年製作の映画)
3.8
(自分の備忘録なのでネタ漏れしてます。)



33年前に亡くなった妻の面影を
今も思い続ける認知症の老人しげき。幼い一人息子を事故で亡く、自分を責め続けていた介護士の真千子。
ある日、真千子はしげきを連れて車で出かけるも、途中車が故障してしまう。しげきを1人残し助けを呼びに行き、車に戻ると、しげきの姿がなかった。山の中へ探しに行くと、しげきの姿があった。しげきはある目的を果たすために山の奥へと向かう。真千子も付き添いながら山の奥へと進んでいく。
途中危険な思いをしながらも、辿り着いた先には、神々しいまでの巨木が姿を現した。

愛する者を失った悲しみを抱え彷徨い生きてきた二人の心の奥底を深い森に例えて描かれていたような気がした。森の奥にそびえ立ち二人を迎えた巨木の根元に、蹲って眠るしげきの安堵した姿が心に残った。

美しくありのままの自然を映し出していて、深呼吸したくなった。
小さい頃、近くの林の中で1番太い木に背中をつけたり、周りを回ったり、抱きついたりしてた事があったけど、今思えば知らないうちに心を浄化してもらってたような気がした。
この作品を観ていて、そんな事を思い出した。
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