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レインマンのYYamadaのレビュー・感想・評価

レインマン(1988年製作の映画)
3.8
【戴冠!アカデミー作品賞】
 第61回 (1988) アカデミー4部門受賞
 (作品/監督/主演男優/脚本)

〈見処〉
①古きよき「最後の」アメリカ
・大ヒット作『トップガン』の2年後、当時人気最高潮にあったトム・クルーズと大御所俳優ダスティン・ホフマンによる、傑作ロードムービー。
・クルーズ扮する若手実業家の弟は、幼年期に別離した兄が相続した遺産の手筈を整えるべく、面識のない兄弟二人で、シンシナティから遥かロサンゼルスを目指す。
・旅は飛行機に乗れない兄に合わせドライブで、かつての「マザーロード」ルート66へ。
・終盤の経由地ラスベガスで登場するカジノ「シーザース・パレス」は、テーマパーク化した巨大ホテルの草分け。まだラスベガス大通りから見える景色は喉やかで、一攫千金のロマンの街の雰囲気が残る、まさに「古きよきアメリカ」。
・ラスベガスに訪問経験のある方は、本作とともに、同年公開作『ミッドナイト・ラン』にて、現風情との対比をして欲しい。

②サヴァン症候群
・公開時には、鑑賞者から「頭のキレる自閉症」と認知されていたホフマン演じる兄。本作のモデルであるキム氏は「サヴァン症候群」という発達障害にあり。
・彼は世界でも100人にも満たない、驚異的能力を持つサヴァン。9000冊以上の本やアメリカの地図を暗記出来る反面、自分のシャツのボタンも留められないなどの重度障害者
・当初、ホフマンは弟役だったが、彼に感銘を受け、何度も面会して役作りに励み、圧巻の演技に実を結んだ。
・実はトム・クルーズ扮する弟もコミニュケーション能力に欠けており、アメリカの離婚率の高さが影響している云々らしい。

③私的解釈…なぜ作品賞に選ばれた?
・ダスディン・ホフマンとトム・クルーズの共演作に対して、ライバルのノミネート作は『ミシシッピー・バーニング』くらいで、あまりにも弱すぎた。

◆アカデミー作品賞 受賞作の中の
 本作のポジショニングは …
★★★☆☆ 芸術性
★★★☆☆ 社会風刺・メッセージ
★★★☆☆ ストーリーライン
★★★☆☆ 革新性
★★★★☆ 演技・演出

★★★☆☆ 総合評価 (独断と偏見)
前述の『ミッドナイトラン』同様に、古きよきアメリカへの回帰のため、何度も鑑賞したくなる作品。
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