ベべべっち

サイクリストのベべべっちのレビュー・感想・評価

サイクリスト(1989年製作の映画)
4.0
1週間自転車に乗り続けられるか…

何この映画?っていうのが率直な感想。
感動したのだけど、いつもの感動とは明らかに違う。
なんか胸がざわつきながらでの感動。

ジャンルもヒューマンドラマに分類されるのだろうけど、それもまた個人的には少し違うような気がする。


病気の妻の入院費が稼げないアフガン人の男が、賞金の為に1週間自転車に乗り続けるという無謀な挑戦をする映画。

乗り続けるといっても、広場の隅っこを永遠と円を描くように回り続けているだけ。
観てるこっちも目が回りそう。

ただでさえ、おっさんが同じところを自転車でぐるぐる回っているだけの画なのに、心情描写やセリフが極端に少ない。

ペラペラ喋っているのは、息子か周囲のギャラリー。

そんな大半のギャラリーは彼が達成できるかできないかで賭けをしている。

主人公に特に動きはないから、中盤はギャラリーたちが彼の妨害をするか援護をするかの描写が続く。

観ているこっちは、
「ホントに1週間も乗り続けられるのか?」
と、ハラハラしながら見守るしかない。。


とても不思議な作品だった。


ところどころで、この作品のキャッチコピーが”全てのイラン国民が観た”というのを目にした。
なんで、そんなキャッチコピーなんだろ…

あと、個人的に気になったのが音楽。
なんか、らしくない感じで新鮮だった。
そこもこだわりがあったのかな…。