HicK

シュレック2のHicKのレビュー・感想・評価

シュレック2(2004年製作の映画)
4.4
《より皮肉的に。より個性豊かに。よりハチャメチャに。サントラも更にヤバい》

【トンデモなく進化】
前作も童話への皮肉や大人向けコメディーが秀逸だったが、今作のコメディーセンスは個人的にレベチ。驚くほど更に笑える。

【広がるテーマ性】
前作で、自分達の外見からくる葛藤や苦悩を乗り越え、お互いに認め合い、恋に落ちた2人。「当事者たちが幸せ」という素敵なゴールを迎えたはずが、今度は周りが「いや、そんな外見で良いわけがない」「姿を治してやる」「もっと良い人がいるはず」と余計なお節介と偏見ど真ん中で空回りをしてしまうという、現実さながらの展開で続編として相応しい膨らませ方。

シュレックがイケメンに変身した途端、世の中の待遇が天国レベルに変わるという残酷さは、皮肉の効いたコメディーとして笑えるうえにテーマ性に沿った素晴らしい展開。

【ウケる新キャラ】
長靴をはいた猫を演じたアントニオ・バンデラスがウケる。日本版だと竹中直人っていうのも分かる気がする。おねだりする時に瞳を大きく見せる手法は現在でも鉄板。ギャップが効いてる。ドンキーは数うちゃ当たる的なウケ狙いなのに対し、猫はスキあらばボソッと攻めてくるタイプで良いバランス。

フェアリーゴッドマザーとプリンスチャーミングのキャラデザが秀逸 笑。典型的なモンスターピアレントとちょっとゴッツい甘えん坊な王子が面白い。

【大好きなサントラ】
「Accidentally in Love」「Changes」を始め、好きな曲が詰まったサントラ。特に冒頭の「Accidentallyー」は当時、登校中にずっと聴いてた。トンデモなクライマックスの「Hero」の選曲も好き。

【総括】
続編らしいテーマの広げ方、より皮肉的によりハチャメチャになったコメディー、更に個性豊かになったメインキャラクターたち。全てがパワーアップした作品。シリーズで1番好きというだけでなく、好きなアニメ映画としても上位に入り込む作品。大人こそ今作をエンタメとして十分に楽しめると思う。

多分、このあとの「3」「4」はかなりつまらなかった記憶が。でも機会があれば見直してみようかな。
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