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ジャイアンツのmasahitotenmaのレビュー・感想・評価

ジャイアンツ(1956年製作の映画)
3.5
エドナ・ファーバーのベストセラー小説をジョージ・スティーヴンス監督が映画化した大河ドラマ。
テキサスの牧場に住む家族の約30年に及ぶ人間模様を描く。
原題:Giant (1956、201分)

1920年代の初め頃。
東部メリーランドの上流家庭の令嬢レズリー・リントン(エリザベス・テイラー)は、テキサスの大牧場主ビック・ベネディクト(ロック・ハドソン)と結婚。
テキサスに移り住むが、ビックの姉、独り身のラズ(マーセデス・マッケンブリッジ)から冷たい扱いを受けるなど、慣れない厳しい環境での生活が始まる。
レズリーに思いを寄せつつ、犬猿の関係であるビックの元で働く使用人の牧童ジェット・リンク(ジェームズ・ディーン)は、ビックの姉の死後、彼女から譲り受けたわずかな土地で石油を掘り当て、大富豪になる。
一方、ベネディクト家では、子どもたち3人がそれぞれの道に進む。
第二次大戦を経て、ジェットは空港と巨大ホテルを建設し、祝賀パーティにベネディクト一家を招待するが、ベネディクト家の嫁がホテル内で差別を受ける…。

~ベネディクト家~
・長男、ジョーダン/“ジョーディ”(デニス・ホッパー):牧場を継がず、医者を目指す。
・長男の妻、メキシコ人のフアナ(エルザ・カルデナス)
・双子の長女、ジュディ(フラン・ベネット):夫と小さな牧場を持つのが夢
・長女の夫、ロバート/“ボブ”(アール・ホリマン):第二次大戦に出兵。
・次女、ラズ(キャロル・ベイカー):ジェットに恋心を持つ。自由奔放。
・バウリー叔父さん(チル・ウィルス)
・使用人の息子、アンヘル(サル・ミネオ):第二次大戦に出兵。
・隣人、ヴァシタイ(ジェーン・ウィザース)
・ヴァシタイの夫、“ピンキー”(ロバート・ニコルズ)

~リントン家~
・レズリーの父(ポール・フィック)
・母(ジュディス・イヴリン)
・妹、レイシー(キャロライン・クレイグ)
・妹の夫、デイヴィッド(ロッド・テイラー)

「土地はメキシコ人から盗んだんだ。
お金で買ったのよ。
1エイカー1ドル5セントでね」

時代の変り目を生きた牧場主とその妻の人生に、東部とテキサスの価値観の隔たり、白人のメキシコ人ら有色人種への差別問題などを盛り込んで、社会性のあるホーム・ドラマに仕上がっている。
ジェームズ・ディーンは雇い主の妻エリザベス・テイラーが好きで好きで堪らない。尋ねてきた若妻に(東部のお嬢さんだから)紅茶を入れてあげるシーンのぎこちない感じ。成金になっても彼女を得られないという心の喪失感は消えない。アルコールに溺れても消えない。その感じがよく出ています。
夫婦役のエリザベス・テイラーとロック・ハドソンも好演。
ディミトリ・ティオムキンのテーマ曲も印象的。
ただし、201分と長く、後半が少しダレるのがちょっと残念。
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