千年女優

最後の猿の惑星の千年女優のレビュー・感想・評価

最後の猿の惑星(1973年製作の映画)
3.0
猿が人類を凌駕した未来から訪れた猿人の末裔で、同胞を率いて起こした革命が核戦争を誘発させて人間社会に壊滅的なダメージを与えたシーザー。原野の集落で一部の理解ある人類と平和な暮らしを築こうとする彼が、それでも起こるいざこざが地下に逃れて超能力を開花させつつある人類を巻き込んだ争いに発展する様を描いたSF映画です。

ピエール・ブールのSF小説を原作として大ヒットした第一作に端を発する20世紀スタジオによるオリジナルシリーズの第五作にして最終作で、監督は続いてJ・リー・トンプソンが務め、脚本もポール・デーンが続投しながら健康上の理由で退いた事で二転三転し、結果として興収はシリーズ最低、批評も芳しくなくと寂しい幕切れを遂げました。

微かに残る共存の可能性をサスペンスの軸に物語を展開しますが、前作と同様に大きな主題を描くにあたってのスケールの不足に悩まされます。様々な要素を描き切るには90分に満たない尺では足りず、かといって掘り下げようにもインパクトをもたらす要素は少なしとがんじがらめですが、最後の「涙」は象徴的で示唆を感じさせる一作です。
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