Vega

つぐないのVegaのレビュー・感想・評価

つぐない(2007年製作の映画)
4.0
冒頭、タイピングが響く室内、床には屋敷の模型から列をなして逃げ出すように並ぶ動物たちのフィギュア。方舟を目指すようでもあり後のダイナモ作戦を予期させるようでもある。そしてこの部屋の持ち主である少女がいかに想像力に溢れ、多感であるかを物語る。
邸内を直線的に狂わぬリズムで闊歩するシアーシャ・ローナン、まっすぐに見つめる瞳が、混じり気を嫌う早熟さとその奥に潜む暴力性を完璧に表現していて、もうベストアクトですね。

つぐないという邦題とポスタービジュアルで、勝手にひと夏の経験のような淡い流れを予測してしまったが、この原作はイアン・マキューアンの『贖罪』なのね。(読んでない)
中盤から戦場が舞台となり重々しさが増していった。

ダンケルクの浜辺の長回しは圧巻!お金かかってるなぁ。
抑制していた内面を放出させるような、煽動的なタイプライターの音が印象的だった。
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