映画でもアニメでもドラキュラをモチーフとした作品は苦手だ。
耽美的である事や、ある種の湿気に纏わりつかれる感覚はゴシックホラーの定番とも言えるが、ドラキュラはその最上位にある気がするからだ。
しかし食わず嫌いは良くないので、本家B.ストーカーの小説に忠実な映画化は観ておかなければという使命感から観てみた。
まあとにかくキャスティングがエゲツない。
G.オールドマンは憑依型の本領発揮だし、A.ホプキンスは『羊』の翌年だし、W.ライダーと(演技はアレだが) K.リーヴスは、新進有望株だし、なんといってもレンフィールド役のT.ウェイツは、『あんた、何やってんの』級に素晴らしい。
だって、T.ウェイツだよ？
あのTom Traubert's Bluesのトムですぜ？
とにかく【B.ストーカーに文句は言わせねぇ】的な中途半端は許さない、F.F.コッポラの執念が垣間見える作品。
ラストシーンの演出は、美女と野獣的なファンタジーとも取れる。
取れない？
