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熱海殺人事件のumihayatoのレビュー・感想・評価

熱海殺人事件(1986年製作の映画)
5.0
初っ端から倫理観吹っ飛ばし正直発言路線で最高。この時代の映画はこれだから好き。
あの歴史的未解決事件の犯人も登場(笑
顔がよくないから公開されなかったって

仲代達矢の1モーション1モーションが最高ですし、こういう半人半獣の役が本当に似合うなぁ。
志穂美恵子も非常に色っぽい。

人は包茎の悩みで人も殺せるし、ハゲと言われただけで人も殺せる。
まわりからどんなに下らない、ちっこいことと言われても人を殺せる。
加害者と被害者の超個人間な問題であり、ドラマでもある「事件」というものは、「事件」になった途端に大なり小なり社会性を帯び、誰かのロマンになりドラマになり、舞台性を求められ、美学を求められ、劇場化していくし、みんな表面上しか見なくなり、誰か特別な人が特別な理由で人を殺すと思ってる。

劇中、風間杜夫が「おめぇ偉ぇな!すげぇな!よく殺せたな!俺は殺せねぇよ!」
と言う通り、殺せる人殺せない人はいるのでしょうが、誰でも人を殺せる。
でも「人間は人間を絶対に殺しちゃいけねぇ!」んであります。
とてもいいシーンだったぁ。

音楽は久石譲。
終盤のクライマックスはしっかり久石スケールで。

色々お腹いっぱいな傑作でした
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