しあつん

熱海殺人事件のしあつんのレビュー・感想・評価

熱海殺人事件(1986年製作の映画)
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部長刑事・伝兵衛、その部下・熊田、婦人警官・水野の3人が熱海で発生した「ブス殺し」(かなり不謹慎)をはじめとする難(?)事件を捜査する顛末を描いた物語。
原作もだいぶ前に読みましたが、舞台のほうがきっと面白くなる作品だと思う。

とにかくこの3人がぶっ飛んでいて、キャラが立っていてよい。
ただコメディとして見てほしいであろう作品なのは分かっているのだけど、いかんせん殺人事件が起こっている、そんななかセリフとして今であれば恐らく宜しくないレベルのものが連発するので、時代を超えて笑えるということは難しいように思える。そして犯罪の美学についてなど、メッセージとしてシリアスなのか笑っていいのかよく分からない場面も多かったので、折角なら全編一貫していてほしかった。しかし、そういうジャンルがよく分からない、曖昧な世界観がこの作品の持ち味なのかなと思う。
(原作にカミュの『異邦人』が出てきたと自分の当時のメモにあり。)
ただ水野と伝兵衛の恋は笑い抜きで応援したくなった。

以下雑感。
「吉永小百合と浜田光夫の」映画は『潮騒』だよね、って分かったのが嬉しい。
序盤のトランプシーンに流れる時計のカチカチ音が幾度も劇中で繰り返されるの、緊張感が煽られるし洒落ている。
ラストの方のBGMが『となりのトトロ』の音楽に似てる!と思ったらこちらも久石譲だった。
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