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レ・ミゼラブルのkuuのレビュー・感想・評価

レ・ミゼラブル(1995年製作の映画)
4.0
『レ・ミゼラブル』
製作年1995年。上映時間175分。

敬愛するヴィクトル・ユゴーが1862年に発表した小説をベースにして、現代史のなかで同作品の意図をみつめたダイナミックな大河ロマン仏国映画。 
作中には、原作を現代に置き換えてはいますが、原作のストーリーやディティールを守りながら引用した部分が多く見られます。
中でも共和派の蜂起によるパリ市街戦を第2次世界大戦のノルマンディ上陸作戦に置き換えたスペクタクルな戦闘場面は圧巻です。
愚かな詩ですが感想にかえて。
『Jean Valjean』
 kuu ことGeorge
澄み渡る忌憶の片隅
滾る血汐
殺め生かし
盗み施す
咎人踊り慈獄の王は
朱い聲でうた唄う

悪夢を
悪夢のような己を
終焉祈念
己の化身の
この悪夢を

研ぎ澄ます凶気の沙汰
毀れる刃斬れる刃
鬼火は舞い只人温灰
神威の奴らは
昏い空を呪う

碧き龍は墜ち
不死の鳥灰に這う
すでに虎亡く
玄武は崩れおちゆ

祈りて我を通す
祝詞呪詛
哄笑慟哭、
絶え間なく
嗚呼絶え間なく

胸穿つ涙流す紅血
痛み忘れ
嗚呼痛みを忘れ
来たる千年蒙昧
影の王国築くとて
過ちに気付く道理無し

教義説く道化
その眼に映るは御霊
御霊の悪夢が
悪夢のような
殺め喰らい
呪い犯し
盗み削ぐ
刻みつけ消えない
己が証とその咎

澱み濁る
醒め往く追憶
揺すり叩き
叫び痛む
往く命戻る生命
恨み辛み呪詛満ちる
生々しき腐敗
灰舞い罰下る
枯れた涙虚ろに狂い
来たる万年混沌
砂上の王国高らかに
正義道理に狂気謳う民
その眼に映るは
無味無臭の無意味

悪夢を
悪夢のような己が
始めた話
己のすべて
この悪夢は
終わらすのも己次第
kuu

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