今日、クジラを見た。
なんとはなしに海を眺めに行った。
何か黒くて大きな塊が浮き沈みしている。
岩かと思い目を凝らすと、位置が変わる。岩ではない。泳いでいる。
クジラだ。クジラの胴体だ。
海沿いに住んでいて、初めて見た。
こんなに大きな生き物が、こんなに近くに住んでいるのだと思った。
深く深く、との声に誘われて潜るのは数多の海。
美しい水面、弾ける泡の煌めき、さまざまな生き物たち。
台詞や解説は一切なく、ただ海をたゆたうような映像が続く。とてもいい音楽と構図のおかげで飽きることがない。
だんだん自分が海に溶けてなくなっていくような気がする。青い海に、何のしがらみもなく、生き物たちと一緒に泳いでいるような気がする。
海の生き物たちは陸の生き物たちとはまったく違う形をしていて、不思議で面白い。
海の生き物たちが陸の生き物たちを見たらどう思うんだろう？
違う種類の生き物がたくさん暮らしているこの星が不思議だ。
音楽が素晴らしくて、生き物たちの動きに合わせているのがすごくお洒落。
拍手や歓声、雑踏も、海の底に沈みながら聞いているような気がして、遠い世界の音に聞こえる。
とても癒されたのでDVDがほしい。
