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摩天楼のpourynhillのレビュー・感想・評価

摩天楼(1949年製作の映画)
3.8
戦時中にロシアからアメリカへ亡命した思想家・作家の女性アイン・ランド原作の映画。
ランドの宗教や社会主義、利他主義といった集団的思想を拒絶して小さな国家の自由資本主義を理想とした思想が全編に押し出されていて「集団に屈せず個人が自由に生きること」をこれでもかと啓蒙してくる映画だ。

舞台は摩天楼と呼ばれる高層ビル建設ラッシュのNY。主人公ハワードは建築家で、自分の設計を絶対としクライアントやお偉いさんにデザインの修正が求められても一切応じず、仕事が無くなれば日雇いの肉体労働を選ぶ自己を確立した人物だ。

NYの高層ビル設計中の時代設定はワクワクしたし、集団に屈しない妥協のないモノづくりをする姿勢もカッコよかった。1940年代の白黒映画だけど現代にも通じる個と集団の問題を提起していて考えさせられた。少し説教くさいけどね
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