きゅうげん

新・13日の金曜日のきゅうげんのレビュー・感想・評価

新・13日の金曜日(1985年製作の映画)
3.2
ジェイソン亡き後もジェイソンは現れる!
前作でジェイソンを葬ったトミー少年はその壮絶な経験から精神を病んでしまった。転院先の開放病棟で心機一転療養できるかと思いきや、まるでジェイソンの所業としか思えない連続殺人が彼の周りで起こり始めてしまった……!
いったい犯人は誰なのか!?


先進的な精神病院に比べて、恋愛だとか家庭環境だとか社会的な体裁だとかのせいで地域住民の方がよっぽど異常……という面白みある構図ながら、それがストーリーにまったく活かされず。
また、ミステリ仕立てを標榜しながら全然ミステリじゃないのも遺憾。序盤の殺人事件も別に伏線たりえないし、真犯人究明のサスペンスがあるわけでもないし。
トミー三代目襲名というオチについても、それまでの「新ジェイソンもしかして主人公自身?」匂わせが鋭敏じゃないからパッとしません。
各殺害パートが独立しすぎてるのも、ストーリーのとりとめのなさに拍車をかけてます。

その肝心なゴア描写もいまいち!
「武器を振り上げ……殺害そのものはみせられないよ!」といったお茶を濁す感じでパターン化が著しいです。くわえて殺害動機となるセックス要素ばかり露骨にポルノ化していて辟易。
前作に引き続くトミー君のかぶりもの趣味も、ファンタ系映画黄金期の当時の流行を表層的になでた程度で残念。


きかん坊のガキンチョだけがバイブス良かったですね。
爺ちゃんや兄ちゃんとのホッコリ場面があったり、チェンソーお姉さんvsジェイソンで盛り上げに徹したり。