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乱のぉゅのレビュー・感想・評価

(1985年製作の映画)
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2022年 鑑賞 22-64-07
NHK BSプレミアム にて
「七人の侍」「蜘蛛巣城」「用心棒」等の黒澤明監督・脚本による、シェイクスピア氏の悲劇「リア王」と、毛利元就の「三子教訓状」を元にしたストーリーで、戦国武将の一文字秀虎(仲代達矢さん)の家督譲渡に端を発する3人の息子との確執、兄弟同士の骨肉の争いと破滅を描いた時代劇作品。黒澤作品7作目。
スコアをつけられないと痛感したため、遠慮させていただきます。

ー 続・クロサワ × シェイクスピア ー
「蜘蛛巣城」と同じく、話の流れはググッて簡単な予習はしておきました。

戦火から生き残れば “狂う” 。生き延びてしまう人たちは “狂い” たくないから自害する...

もちろん、“狂い” にも種類があって、“狂う” 前の想いが強く出る。秀虎は、三男の三郎(隆大介さん)への自責から会わす顔がないと放浪、次第に死を意識し始め...

元は自分の家の城で、秀虎により奪われた
家族や城。唯一生き残ったが故に、城や家督に強いこだわりがある楓の方(原田美枝子さん)は、秀虎の長男の太郎(寺尾聰さん)の正室となった。家督も得るも、秀虎へのうらみつらみで、太郎を操り、秀虎を追い出そうとするも、秀虎の次男の次郎(根津甚八さん)の策略で、太郎を殺され、次は次郎を “色狂い” で迫り、自分を正室にするように迫る...

私は、道化で名前に “狂” が付いていても、“狂い” を演じる正常の人間である狂阿弥(ピーター/池畑慎之介さん)が良かった。案山子、瓢箪の口上も好きだし、最後のあの泣きのシーンも最高だった。
そして、“九尾の狐” の話に唸った鉄(井川比佐志さん)の人格もいい!狐に狂わされない芯の強さや、男の器のカッコよさに惚れた!やっぱり井川さん、いいなぁ!

空が凄く印象的に映っていた。快晴の綺麗な空、夕陽、気持ち悪い空色... ラストシーンの空色が一番好き!ひとつの家の●●を表したような空だった。

1725
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