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殺人者(コロシ)を追えの3104のレビュー・感想・評価

殺人者(コロシ)を追え(1962年製作の映画)
3.9
『野良犬』『張込み』の系譜にある張り込み映画であり、一級の「団地映画」でもある。

若くて血気盛ん、自らのミスを取り返さんと焦る小高雄二と、経験豊富、諦念と余裕とペーソスを漂わせる織田政雄のバディのコントラストも鮮やか。そして織田政雄の出番がこれほど多い作品も珍しいのでは。

ジリジリとした張り込み中心の描写が続く(とはいえ“犯人側”も張り込みをするという展開を盛り込み、全く飽きさせない)が、終盤にテンポアップし怒涛のアクションシーンが待っている。71分と短いながらも盛りだくさんの快作。

音楽は映画では珍しい?宮内國郎なので時折「ウルトラQ」を観ているような錯覚を覚える。ともあれ、こういう“当たり”もあるので、日活のサスペンス作品にもっと光を当ててほしいと思う次第である。
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